冷めたカフェラテ
naru

赤い鉄筋の橋をわたり
360度くるりとまわる
軸足がずれてよろけても
雨上がりの空は青い

駅前のカフェで
正面に座る人を見つめた
睫毛の長さと
指の節の太さ
あと首筋の香り

失ったわけではないのに
穴の空いたバケツのように
すくってもすくっても
気持ちがたまらない

おもちゃのように
いらないと放り出して
埃をかぶせてしまえたらいい
捨てることすらできないから
こんなところでよろけてる

空が青くて
人に囲まれていて
ごはんもおいしいし
だんだん暖かくなってきた

あたしは幸せ



コンクリートの水溜り
見ないふりして飛び越えた



自由詩 冷めたカフェラテ Copyright naru 2008-03-26 00:39:57
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