○×式
大覚アキラ

まさか
こんな所に
XXクラゲが
いるとは
思わなかった

ぼくはたまたま
近所のコンビニまで
時速160キロで移動中に
道路のど真ん中に落ちていた
XXクラゲを踏んで
大クラッシュしてしまったのだ

アスファルトが近づいてくる
スローモーションで
回避不能なハイパーリアル
まるで
プレイステーション
現実よりもリアルな
死のイメージが

でも
死なんて
真夜中に背中のほうから
だんだんと
巨人になっていく
プラズマディスプレイに比べたら
どうってことないんだから

緻密に描かれたテクスチャーが
アスファルトに叩きつけられ
剥がれて飛び散っていく
粉々になりながら
素粒子レベルまで粉砕されて
ぼくが生まれる以前の場所から
吹いてくる風に流されて
コンビニから
どんどん遠くなっていく

目を閉じると風鈴の音
現代はいいものですね
さわやかな風鈴の音をききながら
コンビニまで
ドライブするなんて

そういえば
たしかに
プレイステーションの○×式は新機軸だ
あのアイデアは
ぼくの母も考えていたものだった

ここはどこなのかだって?
違うだろう
きみはこう言いたいのでしょう

イシャはどこだ!


自由詩 ○×式 Copyright 大覚アキラ 2008-03-25 03:31:33
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