【短歌祭参加作品】あめふりのひに
月見里司
三月にリセットかけて天気予報シーズン最後の雪が降ります
電車内つよく窓を打ち時折光る座席のひとよ気づけ第一話に
ずぶ濡れで風邪をひかない春が来て着のみ着のまま傘も差さずに
水たまり段々大きくなる水たまり段々大きくなる水たまり
練習を重ねた笛の音色よりその日の天気をよく憶えている
夜が比喩的に泣いている古そうで新しいさようならを告げる
たましいは水溶性のほのおだと誰が言ったかあめふりのひに
//2008年3月19日 「現代詩フォーラム短歌部」主催「短歌祭」参加