あさ うたうけど ひとり
ホロウ・シカエルボク




いきをとめた
ときの
ちんもくのなかに


ながく、とじこめた

ひどいこと


ゆるしたくなんか
なかった


ゆるしたくなんかなかった
なにも
なにも


ゆるして
しまいたくなんかなかった


あさがた、のたうちまわるまどろみのなかでみたものは

こどくと
ふじつと

ひじょうしき


こわいものなんかひとつもいないのにこわいゆめ
そんなゆめ


ぱいぷまくらをひきさいためざめ



すごくながいながいむかし、もっといいゆめをみたことがある

むしがいなくて
へびがいなくて
ひとが
いなかった



ちょうこうそうびるをうえからしたまであるいた
おもしろかった
ひじょうぐちとか


こわいものなんかひとつもいないのに
こわいゆめ
そんなゆめは



おきていたって
みることができるから




さけたまくらのなかにてをつっこんで
ぱいぷを
ひとつ
てにとって


かじる
かじる
まくらのないぞう
おいしくないので
おしっこをする


しーつに




だれもいない


ゆかにおりるとくうきがうごく、わたしは

わたしには
それが
いささかいらだたしい



めざましどけいがなる
そんなものはいらない


めをさましてまで
しりたいことなんかもうない
めをさましてまで
はなしたいことなんか、もう




なにもない





わたしはわたしで
せつめいをきょぜつしている
つよいはるのかぜは
きづかいもなく
ちいさなまどを
がたがた、がたがた
わたしは
すりっぱをぬいでなげつける
とまるふりなんか
しないで

しないで




おねがいだから


ねがいがかなうなんて
しんじるのはつらい
あすのじかんをきめてしまうと
めざましは
ぜったいになる


そんなもの
わたしは
しんじたくない






あるはれたあさ、わたしは
べっどからおりました
おりたべっどから
おしっこが
たれました


こんな、おはなし
だれもよろこばない


こんなわたし





ぱんをやきました、たべるためではありません

とーすとのにおいで
しあわせになりたかった


やわらかなにおいで
しあわせに



しあわせに




うたをうたいました
へただとよくいわれます
よくいわれますが
きょうは
だれもいないので
ゆめのように





かべですてっぷして、うたはかえってきます
うけとめますが、それいじょう
どうすることもできません


わたしのやくめはひとつだけ
いつでも
わたしのやくめはひとつだけ
ひとつだけ
ひとつだけ







おなかが
ひえる




うたが
かえってくる










自由詩 あさ うたうけど ひとり Copyright ホロウ・シカエルボク 2008-03-18 21:18:15
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