【短歌祭参加作品】 ラスト・フェリー
Rin.


「第一話・名もない色」と書いてみた。二年と五日前の扉絵


漁火というたましいに導かれ浴衣のうさぎ逃がすわだつみ


王冠を貝に譲ったソーダ水だまりこんでた午後がいとしい


消えかけた出会いは水着のあとの白僕らはコートに何を隠した


東京へ 雨に沈んだ港から警笛、きみのため息に似て


境界線リセットひとつで引けるほど地球はアオイ だから手を振る


砂漠だと夜の浜辺を歌う人泣き顔もいいらしくなくても






短歌 【短歌祭参加作品】 ラスト・フェリー Copyright Rin. 2008-03-18 16:51:06
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