軽さへのあこがれ
佐々宝砂
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる
鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超の鳥でさえも脆く
たくさんのものを捨て去っているということを
明け方庭のどこかで鳩が鳴くとき
夕方田んぼの片隅でケリが鳴くとき
わたしは思い出す
わたしは150kgの鳥より重い
どれだけ多くのものを捨て去ろうとも
わたしの身体は風に乗らない
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創書日和、過去。