布団の中の真白い魚
ヨルノテガム






宇宙の中にかたつむりが咲いている
無重力の中、黄緑の飴玉が雨のように落下していく
みずみずしい果物が口から溢れる今その瞬間が
ブラックホールに吸い込まれて消え失せた
宇宙人の伝言は、木目の魚が泳ぐ谷へ
連れてって 連れてって と発信し続けている

火と花火の星から口唇の星へ
そして最終的には 猫の目の星へと 
その魚は旅を続けなければいけないらしい
なのに木目になって何処かの谷へ身を潜めているとのことで。
宇宙人には、捕まえてみろとばかりピースサインの写真を
送ってよこしたらしく 木目のわりには 魚の割には
ふてぶてしく生きて逃げ延びているのだった

宇宙人 VS 猫の目の星

ということにならないように伝言を回し続けるのだが
同じ伝言が引き返し戻ってくるばかり。
宇宙人はすねた
プゥーと口を膨らませて身長より長い細腕を巻きつかせる程
ブルブルンと振りまわった
その腕が情報をキャッチする
猫の目の星から寄せられたのは
優しい女の口流星群に食べられて
パイオツだのコーマンだの悪いものに囲まれて
魚は木目にされてしまったとのことであった
しかし黄緑の飴玉をなめるとリフレッシュして
魚は元に戻り、いや真白くなってしまったのだが
無事 猫の目の星へたどり着いた

猫の目の星がいよいよ魚を食べようとしたところ
魚は 優しい女の口流星群で憶えたテクを使い
猫の目の星に骨ごと食べられる運命が 逆に
猫をニャンニャン言わすことができたのであった
これは真白い魚伝説として宇宙史に刻まれることとなる
魚はそれ以後 行く方知れず。
宇宙人は代々その話を枕元で子孫に聞かせながら
星々を眺むるという
子供宇宙人はミステリアスを知ることで
よく腕が伸びると伝えられているのだ













自由詩 布団の中の真白い魚 Copyright ヨルノテガム 2008-03-11 17:52:41
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