「不確かな肩」
菊尾

証明できたら信頼されるの
いつもみたいにふざけ合えるの
冗談で取り繕ってみせた雰囲気は
一人になると嫌悪して
言葉に立ち始めた角が疲弊させていく

肩は不確か
いつもの場所より低くて落ちてしまいそう
なんだか最近、痩せたみたい
唇も指先も冷たくて
抱きながら秒針の動きを追っていた
その肩越しに

頼り方を忘れてしまったら
いつからか孤独が寄り添ってきた
金網で遮られているみたい
鳴らしても伸ばしても気付かないし届かない
穴だらけの二人は体内に留めていられない
もたらす心情は穴を広げていくばかり
似ているから
埋まらないんだよ

あの頃のままでいられたら
通り過ぎた過去の幾つかが僕らの行く末だったら
「変わろう」なんて言葉
聞かずに済んだはず
飲み込まれて一緒に倒れた
こんなはずじゃなかったなんて
見え透いた嘘だろう


使い過ぎた心はどうしたらいい
修復が利かない
一体何になれたんだ
必然も偶然も瞬間的なもの
その価値を人は見失う

力なく笑う君を見ながら
僕は泣く
理由も浮かばずに
そんなことは無意味だと知りながら
ただ、
僕は泣く


自由詩 「不確かな肩」 Copyright 菊尾 2008-03-10 17:58:32
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