黒猫
士狼(銀)
夜を抜け出して
港は
沈んでいる
深い群青の空を支える影は
暗く黒く
タールを越えて
走る
錘など最初から必要なかった
この手を、離せば。
それでよかった
忘れるわけじゃない
ただ、君は、
いいや、僕は、
もう大丈夫、大丈夫だ
きっと。
嗚呼
灯台の下にウミネコがいるよ
翼を休めて
明日を待っている
同化してゆく
僕の汚れた掌と
君の無垢な輪郭
蒼いまま喪われた
僕が縋った、哀しい、眼
ばいばい
僕のカムパネルラ
バラバラになった君は
無数の星になれる
君の照らす道を
僕は
海水は 冷たくて
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complex≒indication創書日和、過去。