春のバナナ
小川 葉
バナナが自ら皮を脱いで
バナナはバナナであろうとする
それを口がおいしそうに食べて
口は口であろうとする
その様子をじっと見ながら
目は目であろうとした
庭に出ると
鼻が春の匂いを探してる
蝶の真似をして
耳がひらひら飛んでいる
懐かしい足音が聞こえる
自由詩
春のバナナ
Copyright
小川 葉
2008-03-06 23:48:46