蜃気楼
ae96

 




「 蜃気楼 」        ねむらない街 俺の心はすでに麻痺

            マフィア経由の麻薬のまやかし

            甘えれば甘えるほど 増え続ける借り

            決して騙せないおのれを黙らし

            膨らむ欲望に目が眩む純情

            鳴り続けるアラーム 間違えた順序

            真っ暗なアングラに気付きゃまっしぐら


       夢のような想い出はまるで蜃気楼さ

         記憶の遠くで儚く揺れている 



 こんな日もあるさと自分を慰めても

 路地裏で見上げれば 雨が俺を濡らすんだ


 凍りついた時間が溶け出したとしても

 難解な問題はまるで解けやしねぇ


 すべては運命だと片付ける前に

 運命なんかじゃねぇって 強がってみせる

 いいも悪いも 全部 自分が 決めてきた

 これまでも これからも 俺が すべて握っている

  
         ながれのなかで 見失うことなく

          自分を信じていくしかねぇだろ

      
        
       仏陀が言ったとおり生きることは苦しいが

       それでも乗り越えたときは やっぱ楽しい


        目の前の壁は気が遠くなるほど高いが

         乗り越えられないほどの高さじゃない


      
        絡みつくしがらみや

         押さえつける負の鎖を

       なりふりかまわず振り切って走れ



想いのまんま

  汗も飛び散るまんま


  なりふりかまわず振り切って走れ


  降りかかる火の粉もこの手で振り払い

  なりふりかまわず思い切り走れ


       たとえ闇に向かって走っていたとしても

        
         安心しろ この星は常に回っている

          
           いつか新しい朝が必ずやってくる

           一日も一生も

             季節のように巡り

           
           俺は忘れかけていたカレンダーをめくる

     
            情熱の魂は決して枯れることはない

            そう願いながら

            俺は 俺を信じよう

        

           

           遠くで朝陽が静かに昇る時

   

         音もなく蜃気楼のように揺れていた。

         音もなく蜃気楼のように揺れていた。

         音もなく蜃気楼のように揺れていた。







 



自由詩 蜃気楼 Copyright ae96 2008-03-06 03:40:22
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