ポケット
mayaco

どうしようもなく大切にしてきたわけでないけれど

大人のポケットは暖かく

そこにしまわれていたのです

そう、

大勢の人と話をしながら

少しずつ自分を失いながら


久しぶりにここを訪れたのは偶然に近いものだったのに

あなたのポケットは柔らかく

始まりを思い出したのです

そう、

見上げるとそこに笑顔があり

同じ回数だけうつむいていた


大切にしなくても大切なものはそこにあったのに

私のポケットはだまったままで

それでも時間は流れ続けたのです

そう、

ポケットに手を入れると

なつかしいような温もりが

まだ何も終わっていないと告げているようでした






自由詩 ポケット Copyright mayaco 2008-03-02 22:07:56
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