自傷
黒子 恭

夜のような血液に充たされたい時があって、

なけない時は特に 私の腕に涙を流してみる


感情の臨界点を探している
蓋のない砂漠を見ている
砂塵に呑み込まれて蜃気楼
くらくらする頭、エンドロール

どれほどの叫びで 痛みを越えるのだろうか
絆になる傷を舐めた、少しだけ苦いね
ハンカチを濡らして そっと涙を拭う
取り留めの無い嘘みたく、繰り返す


ねえ、砂漠の夜は冷えるだろう
それでも涙は熱を帯びて


懐かしい歌を口ずさんで
思い出よ早く、懐かしくなれ


明けない夜の隙間に埋めて
そこにそっと、かさぶたをのせるから


自由詩 自傷 Copyright 黒子 恭 2008-03-02 08:19:09
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