石の顔
服部 剛
今日は
自分であることが
うれしかった
ぼくを囲むお年寄りの
無数の瞳をうけとるように
語らうことができたから
今日は
自分であることに
じっと耐えた
ぼくと働く同僚の
些細な言葉に傷ついたまま
なにも言えなかったから
優しさと怒りの間でいつも
ふんばっているぼくは
やがて表情の消えた
一つの石になる
自由詩
石の顔
Copyright
服部 剛
2008-02-22 03:51:03
縦