音魂
こゆり

それは私の一部

私は音となり
あなたはその音で
美しい音色を奏でる

深い森の静かな朝
川の流れと風がささやく
静かな音色

まだうまく歩けない
子ぐまをやさしく見守る
暖かな音色

青空に紅々と生きる
ブーゲンビリアの
鮮やかな音色

だいだいの海に映る椰子の木を
塗りつぶしていく
薄闇の音色

ガラス玉を並べ
恋人たちが見つめ合う
甘い音色

予期しながら奏でる音色は
奏でた瞬間
ふわりと浮いて
はじけて消える

私は音となり
その音で
いつか美しい音色を奏でる

音は音色に

文字は




奏でた瞬間
ふわりと浮いて
はじけて消える


自由詩 音魂 Copyright こゆり 2008-02-17 21:07:06
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