夕焼け
poorguy

ぷぅくりと
朱珠が浮かぶ指先を
ぱくりと咥えて見詰める先は
雄雄しく見ゆる棘ひとつ
禍々しき雰囲気も
神々しき表情も
なにひとつ纏わぬ棘は
柔らかな皮膚に
黒点を穿つ事をこそ
求めて居たに相違ない

神楽拍子の境内も
花魁が舞うお座敷も
雅こそ華と云わんとし
散り花の幹の
棘の心の在り処など
想いもよらぬに違いない

さらさらり
紅の丘で見詰めるは
咥えた指を空に立て
風の行方と夕陽の調べ
暮れゆく空に我想ふ
暮れゆく空へと何想ふ


自由詩 夕焼け Copyright poorguy 2008-02-17 09:11:26
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