クローズ
ゆうと


ぼくの仕事は“クローズ”といって、昼を終わらせる仕事です。

まず、太陽を海の中に眠らせます。
それには時間がかかるので、その間に子守唄をうたいながら星の準備をします。
月は、放っておいても輝きだすので大丈夫です。
星は、ひとつひとつ順番に、指定の場所へはめていきます。
最初に金星をはめます。はまると輝きだします。
はめても輝いてみえない星もありますが、夜になればちゃんと光るので大丈夫です。
そんな感じで作業を続けていきます。
終わる頃には太陽が眠っているので、最後に夜の幕を下ろしておしまいです。

それがぼくの仕事、“クローズ”です。

この仕事はぼくの父から教わったもので、先祖代々続いています。
なので、次にこの仕事を受け持つのは、ぼくの息子ということになります。
男の子でなければいけないということではないのですが、女の子には“オープン”という仕事があります。
“オープン”は“クローズ”とはまったく逆のことをします。
まず、太陽を起こします。
太陽はねぼすけなので、起こすには時間がかかります。
そのあと急いで星をはずします。
そして最後に夜の幕を上げます。
この仕事、“オープン”はぼくの妹が担当しています。
妹は、太陽を起こすのは大変なのよ、でも起きたばかりの太陽はとてもきれいなの!と自慢げに言います。

ぼくはこの“クローズ”という仕事に誇りを持っています。
毎日大変ですが、その分やりがいがあって、とても楽しいです。
“クローズ”は、とてもすばらしい仕事です。
次に生まれてくることがあっても、またこの仕事に就きたいと思います。

ではみなさん、よい夜を迎えてください。

Good night!



自由詩 クローズ Copyright ゆうと 2008-02-12 19:50:31
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