デコイ
しろいろ

防水が付された言葉の鈍角が扉を叩いているのを見ていた


ロシアンティー陶器の縁が欠けていて言葉は絶えて積もる骨の春


精巧なデコイを彫った。単音の別離はかちりと錠を回した。


羽根音が四角い空に壊れていてそれでもわたしは鳥籠でいい、


海に向け傾ぎつづける鉄塔に座って歌った君へのゴスペル


リップスティック、埃のつもったリノリウム、僕らは最後の愛の被験者




短歌 デコイ Copyright しろいろ 2008-02-10 21:12:02
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