静かな生活
プル式

つぼみが開くように
一枚の赤い花びら
花びら
花びら

床に散った赤い花びら
繊毛の流す赤い涙
喜びの赤い涙
麗しの赤い涙

そうしてまた一枚の花びら
花びら
花びら

泣き疲れた繊毛はそれでも
なお赤く
なお赤く
朝日に白く
色を無くし鮮やかに

赤に包まれた白い骨は
おし花のように飾ってあげる
いつまでも美しい化石の様に
いつまでも変われない地層の様に

さぁ左手をお出し
あの人は優しく笑う
剥がされた右腕を抱きしめて
私は
そうする


自由詩 静かな生活 Copyright プル式 2008-02-07 00:37:59
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