天使の耳打ち
信天翁

    丘のひだでは孤高な門扉が居留守を使っている

ひなびた市道では玩具の車が目的もなく突っ走っている

     街角を曲がると郊外では風と光がゆれている

          はつはるがおらに囁いたようだが

         透明なこわいろはひろがってこない

        黒いゆめのなかで逍遥しているようだ

           あゝ 凍てついた埴輪がみえる

            ひびわれしたトルソもみえる

       そして エンゼルの力ない羽ばたきさえ

 
       


自由詩 天使の耳打ち Copyright 信天翁 2008-02-04 21:56:43
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