アンダースコアを埋めていく気持ちで
clef

口を開いたとき、息より先に飛び出した単語が
のどにつかえてむせてしまった
日曜日だから、日はふだんより多くてもいいのに、光が少ない  
西高東低でもないのに

仮設テントで、電気の回路を直列につないだんだね
一箇所の蛍光灯が切れれば、ぜんぶの蛍光灯がだめになる
元を絶たたなくても中途で切れて、みんな、おじゃん

そこでは、私は部品で、一斉に倒れていくススキにもなれず
鬼おろしになった おろしっぷりをほめてもらったのが
あまりにうれしくって、跳ねているうちに、ふやけてしまった
やわらかくなったら、つかいものにならないという忠告はすっかり忘れて

耳の中に残っている 歌 唄 詩 うたの余韻とか、鼓膜を震わせない 

細胞は、ばかみたいにおひとよしな顔をして同じ方向を見ている 
意識の流れなんか見ている
当たった、当たったでしょ、そうかなって思ったんだ 
自覚したら怖いよ、背中ぼりぼり掻くしかないね

からだの隙間にそっと指を重ねて、切り羽根に乱された雪風の粒子を
押し込めてみる
アンダースコアを埋めていく気持ちで


自由詩 アンダースコアを埋めていく気持ちで Copyright clef 2008-02-04 08:46:16
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