花時計
はな 



ころがる
しずかな すいへいせんの上



あさ
お茶をわかしながら
てのひらで
背骨をなぞった
恐竜のように
そらへとつづく梯子の ように

あなたが
つづいている





東京にふる
べた雪が
たんぽぽのわたげになって
低く 飛んでいく
見てしまって、あわてて目をそらして
鼻先に
なつかしいにおい




たたみの上で
いたずらする子供みたいに
しなやかな目
どうしてここにいるの? ながれてきたの?
少しずつだから
きっとまだ気づかないけれど
あなたのゆびはかろやかに
規則正しく
時をきざむ





つつまれたふゆが
送りだされる
あたしもすこしずつ ひらいては
とじて
あふれないように
ふっとうした薬缶を
かたむける







自由詩 花時計 Copyright はな  2008-02-01 01:18:29
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