遠方へ向けて
水町綜助

やあ、遠くまで行ったね
久しぶりだ
きみと知り合って
気づけば一年がたった
前きみがいた 地図の西の上のほう
俺の想像だとしろかべの 赤いあつい国
気温じゃなくて水の温度がだ
そこよりは近いが
やっぱりまだ少し遠い
でもあいかわらず青いろがきれいそうな場所だ
きみもきっとそんな色が好きなんだろう
だって似合うからな
なんてったって似合うんだ
コップの水に氷を入れる
それくらい自然なことだ
そしてコップが水滴をつけ
たくさんつけて
いつか流れて落ちるようにきみは血を流すんだ
そんなふうに自然に
流す
温度が
違うんだ

もうすぐ会いに行くよ
島でサケでものんで
くじらみたいにのんで
まだ寒いかもしれないけどくじらごっこをしよう
さいわいにしてまだでてないけど
30のおなかをよるの海面にだして
ヘソの話でもしよう
はじまりの
渦巻きの
はなしを

そんでまた歌ってくれ
こんどは俺も歌うから
夜の海の黒さのなかに
赤さ青さを
みつけるような声で
そしたらおれは
くだけた鉄の粉を
ぱっ と焚き火にふりかけて
花火をみせよう
星の爆発みたいだから

そして波にゆられ岸に
やがてゆっくりうちあげられたら
ふくをきないで
そのまま
そのままあたらしい
あたらしい全裸のともだちに会いに行こう

















海沿いでもあるいて


自由詩 遠方へ向けて Copyright 水町綜助 2008-01-28 17:40:51
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