ひさしぶりに
よーかん


さて詩を書こうといきごんだ。

でも、
すぐに、
ボクはとってもかしこいから、

詩を書こうは
いかんなと思った。

ボクはそいですぐ、
これまたやはりボクらしく、

書こうなんて詩人らしくないぜと、
タバコに火をつけ詩人ぶったのだ。

書こうなんて、
それじゃ感性のエッセンスを
冒涜するナンセンスだと
缶ビールを垂直にあおったのだ。

加工するみたいだぜ、
書こうなんてと。
煙たげにしかめた顔を鏡で確認しながら。

書こうなんて、
書こうなんてと、

なんどか繰り返して、

加工につながる
詩人らしい駄洒落をさがし、
あきらめた。

さあ書こう。
なに書こう?

(やっぱ書こうはなんかヤだ。)

そうだ。
ボクはなんと言っても
人生について、

あるいは存在について、
しかるに宇宙における、
生命にかいまみえる、

名言を残したいのだ。

そうなのだ。

名言は偉い人達が残すのだから、
名言を残せば偉いヒトなのだ。

さあさて何を書こう。

伝えたい何かを、
感じている何かを、
ありのままの全てを、

そうだ。

ありがとうと
書きたい。

ボクはいいひとだから、
色んなヒトにありがとうと伝えたいのだ。

ありがとう。
ありがとうございます。
と。

あんがと。
サンキュ。
わるいね。
おんにきるよ。
と。

そういう素直な側面を
表現するのも絶対アリだ。

でも、そのまんまじゃ、
詩人として味気なさすぎなのだ。

なんと言っても詩人なのだから。

詩人たるもの、
何かを感じ、
本質を鷲づかみにして、
赤裸々にサラケダスのだ。

さてどう書こう。

やっぱ書こうじゃ、
書こうじゃ、
だめなんだよう。

とここで、
純粋な葛藤を恥ずかしげもなく
表現してみた。

書こうは、
加工につながり、

軟着陸の予定調和で、
みえすいてる感じなのだ。
と。

書こうでは、
書けないのだ。
と。

でも書かないと、
見えてこないのだ。

「詩を書く詩人」はやっぱ違う。

これじゃ、
ロマンチックじゃないではないか。

書かざるえないくらいじゃないと。

いちいちぐちぐち。

まったくボクは
こういう不自由なやつなのだ。

でも書くだけで
ちょっと癒されるのだ。

(ありがとう。)

自分を慰める行為なのだ。

(おんにきるよ)

そういうものなのだ。
ぼくにとっては。











自由詩 ひさしぶりに Copyright よーかん 2008-01-27 17:41:57
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