祈りと呼ぶ
砂木





呼びさえしなければ
知らずにすんだ苦しみを
あやまることしか思いつかず
ただ 宿っただけの意味を
悲しんでいたのだけれど

あれから十年以上もたち
やっと今 私だけでなく
あなた達にとっても喜びであったのだと
感じる事ができるようになりました

この何もわからない消えゆく形の連なりの
重なり合ったり ほどけあったり
砕けては続いてゆく宇宙の中で

悲鳴のように呼び出されたあなた達は
多分急いで ありとあらゆる手段をとって
この私ゆえの心に 形をとって会ってくれた
喜んでいたのは私だけだと思っていたのだけれど
あなた達も 私に会いたかったのですね

幸せになろうと きてくれたのだから
私は幸せにならなければいけませんね

また私達は 何かに分解されて消失して再生して
何も残らないだろう 忘れてしまうのだろう
それでも

守りにきてくれてありがとう
私は守られた だから

どの時代のどの空間にいるのかもわからないけれど
私を呼んで
ここにあなた達を守るためにある命があるから
 




自由詩 祈りと呼ぶ Copyright 砂木 2008-01-20 11:13:19
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