キヲク
望月 ゆき

見上げると
空は昼寝をしていて
そのすきに
雲は氷になっていた

このごろは
どうにも喉がかわくんだよ、
と手を伸ばしても


涼しいかたまりが
つるんと通りすぎて
ぼくはまた
背中を見つけてしまう


きみがいたあの頃も
喉はかわいていた
のだろうけど
もう何もおぼえていない

何も おぼえていないんだ


自由詩 キヲク Copyright 望月 ゆき 2004-06-22 13:57:32
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