千切れ心情吟醸小僧
鎖骨
まだ千切れます
弄ぶには十二分に長いので
いちいち煩うこともなく
吹く風に投げています
帯に短したすきに長し
とはよく聞きますが
もう何の役にも立たないほど長いものは
如何に利用したものでしょう
持て余すのも口惜しい性質で
千切っては投げ千切っては投げ
飛び往く様を愛でてはいますが
あわよくば誰か貰ってはくれまいか
首をもたげた穀潰し
人の一生をかけた距離ほどの気の遠さの体長の
鬱屈を抱えたこの身体
鬱屈を抱えたこの身体
鬱蒼で育てたこの身体
あゝ誰かおゝ誰そ
貰ってはくれまいか
奪ってはくれまいか