灰となって春が舞い けだるい光が夏を照らし 深いお辞儀のような秋が来て 桜のように冬が去る あなたはいつも変わらずに そこにある全てを慈しみ 琴のしらべに手を差し伸べて 私と杯を交わすのです ロウソクの灯火のようにひっそりと つたない心の貧しさを そぅっと吹き消し携えて 私はまた、春を待つでしょう やがて来る喜びを 一年をかけて知るのです かくて季節は巡り来て 108つの煩悩を 刻む私と月と影 冬の寒さを煙草でかき消す えもいわれぬ闇の間です