まぼろしの毒をたべる友達
ミゼット

天井のフックに引っ掛けても
まだ
膝の裏に届く長い髪で
息をするように嘘をつく

望めば全てと言うし
少し前のことを覚えていないから
お話を作るのとも言う

とても髪がのびたから
ツリーのかわりに髪をかざってねむりについた
洪水に襲われる夢をみて
とびおきたら
ケーキがみんな腐ってた
冷蔵庫はニシンでいっぱいだったから入らなかったの

朝起きて枯れた鉢植えを
公園に捨てに行った
遊歩道を外れて
植え込みに隠れながら捨てた
家族連れが怪訝な顔をしていたので
形だけ祈っておいた
「金魚が死んじゃったんです」

どこに繋がろうとしても
皆、てんでばらばらの話をしていて
眺めるだけになった

さっきまで私をまとめていた雨が止んでしまったから
身体の中がすーすーする


自由詩 まぼろしの毒をたべる友達 Copyright ミゼット 2007-12-29 12:59:05
notebook Home 戻る