ルサルカが乙女に唄ふ唄
佐々宝砂
暖かきペチカの前に佇み、
爪弾くは古きバラライカ、
人の涙振り絞るその哀歌、
されど汝が知るは人の世の上澄み。
冬も凍らぬ我が泉、
彩るものはすみれか百合か、
されど汝が明日は如何にか、
モローズ爺は今宵も乙女を喰らひて舌鼓、
冬の嫁となる前に、
答へよや我が呼び声に、
時を逃して我が泉を去るか?
常春の我が家に、
汝が寝床整へし故に、
来たれよや、我はルサルカ。
自由詩
ルサルカが乙女に唄ふ唄
Copyright
佐々宝砂
2007-12-29 05:04:32
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