世界パズル
美琴

ひとつの世界を数多の人々が共有していて
あるいは 奪い合っていて
あるいは 独占しようとしていて
一日たりとも平和な日がない

常にどこかで何かが起きていて
あるいは 起こそうとしていて
あるいは 止めようとしていて
一日たりとも平穏な日がない

そして騒々しい世界を横目に
自分ひとりの平和に浸る個人が居て
いつもどこかでは部分的平和があって
その一部分ではとても平穏な時間が流れている

いくら世界が荒れ果てていたとしても
そこに住むすべての者が荒れ果てている訳ではなく
どこかでは秩序が保たれていて
どこかでは至福の時を過ごす人が居る

そして時々 誰かの状態が周りに伝染して
その場の雰囲気が変わる事がある
そしてその伝染は時に世界を巻き込む事がある
それは戦争だったり 平和運動だったり

常にどこかで何かが起きている
そしてその「どこか」は常に入れ替わる
そして常に個人の感情も入れ替わる
慌ただしく そして 平穏に

時々慌ただしく 時々平穏
一日という短い単位では騒々しい世界でも
宇宙の誕生から見ていくとすごく平穏なのかもしれない
まだ宇宙は存在していて
新しい生命も日々生まれている

時々慌ただしく 時々平穏
長い目で見ればとても
平穏な世界に生きているのかもしれない


自由詩 世界パズル Copyright 美琴 2007-12-27 16:47:29
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