泉
スサノヲ
こんこんと湧き出る泉は
年月を重ねて
太陽の光と 月影を吸い込みながら
その身のうちに波動を蓄える
人里はなれた場所で
人に知られることもなく
自然の息吹を その身のうちに宿し続ける
孤独なその行為は 年月を重ね
泉そのものの容積からあふれ出し
安心の気を 醸造する
いつか人が来て その素晴らしさが
口伝えに広がり
沢山の人が訪れるようになると
安心の気は 徐々に人々に奪われ
やがて波動すら奪われ
また元のこんこんと湧き出る泉へと
還ってゆく
そして再び 人の来なくなった泉は
年月を重ねて
太陽の光と 月影を吸い込みながら
その身のうちに波動を蓄え始める