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森さかな

 
 
 
教室のはしっこで
うずまいて溺れた
リボン型の蝶は

 
 
きたならしい
箒はそれを払って
夢ばかりつまった
ゴミ箱に捨てる
 
 
落日になじむよう
おしゃべりな声は
少しずつ
静まって
 
 
決して繰り返すことのない
時間の半径を
ピカピカした両足で
計ってる
 
 
手拍子を鳴らせ
ぼくんちに帰ろう
ここを出たら
粒子みたいに分散して
 
 
夜をこえるためだけの
いのちだよ
鱗粉がひかるのは
床のはなの廻り
 
 
 
 
舞った埃のやさしさが
床に、影
 
 
 
 
 


自由詩 home Copyright 森さかな 2007-12-13 00:20:45
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