RZ250、時刻は夜明けの2時間前
たりぽん(大理 奔)

幾度も、なんども
夢から覚めると右手にアクセルの感覚と
四天王寺から日本橋へ車線変更
遠く、象の鳴き声を聞くのです
松屋町筋へ曲がるという
思い出のような物語はいりません
ビル風に吹かれて東大阪線の下
排気ガスの色した漏水が
狐の嫁入りみたいです

その時はいつも訪れました、間違いなく
それを普通と呼ぶのは無関心だからです
一瞬はいつも特別で
その連続もまた一度きりで
いつも秒針の刻む音を耳鳴りのように
そうやって過ごしてみたいのです
信号機は赤から始まるのでしょうか
それとも黄色からでしょうか
夢の中のアクセルとそれは関係なく
それを無関心と呼ぶのは
ひじょうに正しいみたいです

  学園祭の最終日
  学校の友達と帰ると言ったあなたを
  校門に迎えに行きました
  あなたの大切な特別を
  私は普通、にしてしまい
  それはやはり傷付けてしまったと
  いうことだと
  なんども、幾度も
  夢から覚めるのです

いつしか新御堂筋です
171を右に折れて
長岡京までの距離を確かめたら
信号機に無関心で普通な私は
右手でアクセルを
サヨナラの方向にまわすのです



自由詩 RZ250、時刻は夜明けの2時間前 Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-12-09 00:14:48
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