この眼の前に聳え立つ壁は
私への試練なのだと
言い聞かせた

嘘と嘘が交差して
その内側に在る真実を
見抜け見破れずに
私の前で一礼し
さようなら、

さようなら
嘘に翻弄されて
信じるべき相手に
背を向けた人

私の前から人が消えてゆく
あの人が蒔いた小さな嘘
一瞬でそれは根を張り
枝を張り巡らせた

皆が私を白眼視する
陰口を叩いている
けれど
負けてはいけない
倒れるには早い
まだ、

頬を伝う涙を今は
見てはいけない

負けるな負けるな