月を狩る
LEO
プラタナスの高い梢の先で
まるい種子が揺れている
風の匂いが蒼くあるのは冬しるし
澄み渡る空気に月は銀色に光る
耳をすませば
眠る者たちの息づかいまでもが
聞こえてきそうな静寂
まだ浅い冬に
白い息はすぐに消えた
うっすら影は足下に
纏わりついて常に共にあり
歩くたび
砂を踏む音と
衣擦れの音が
しゃりり、しゃりり
背中の向こうに
流れてはまた
しゃりり、しゃりり
幼い瞳には煌々と輝く月が
いつも同じ高さであったことを思い出し
斬れない夜を往く
追いかけられて
追いかけて
月が笑ってる
てらてら笑ってる
追いかけられて
追いかけて
影をお供に月を狩る