「慎みたい 」
菊尾

慎みたい


急ぎで造ったんだ
残り物だけで造り上げた
出来損ないの心


あながち間違いじゃない
君が赤だと言えば徐々に変色をするだろうし
柔らかいと言えば解け始めるのだって容易い
だからそんな風に思う事は間違っていないんだ
コレはきっと僕だけで
形付けていくものではないんだろう
何を思ったって、いいんだ


静寂からの刺激
色彩からの招待
酩酊からの真実
警告からの跳躍


なんだっていい
空に海があって太陽が揺らめいていてもいい
海に雲がぽつん、ぽつんと、浮かび漂っていたっていい


見え透いた嘘は悲しいか
移ろう人の心を信用できないか
誰だって不安の中で生きている
誰だっていつでも今すぐにでも
消えてしまう可能性があるんだ
何事にも終わりはあるんだよ



廃れた言葉で身を守る
手に入れるには捨てなくてはならない
希望はそれぞれの形で
誰もが与えられるって
昔、聞いた

買いかぶって当て嵌める
君が持っている欠けたパズル
僕はその足りないピースにはならないよ
だって既にもう持っているでしょ



慎みたい
出過ぎた真似を
収束していく価値観を
幸福の条件を


自由詩 「慎みたい 」 Copyright 菊尾 2007-12-03 19:29:47
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