僕に雨が降るということ
たりぽん(大理 奔)

季節だけにではなく別れを告げるということ
窓のない部屋では聞こえないということ

   言葉で削った窓のむこうは万華鏡じゃないということ
   中途半端な闇の中
   (匂いのしない風がテレビの中、異国の森を揺らす)
   その人の体温を知らないということ

泥のように形を失いながら騙し絵の階段をたどるように
ひとつが。ひとつずつ奪い去る。ということ

   霧の中、稜線を歩くように立ち
   吹き上げられても天国には遠回りだと
   それは特別な事じゃなく。普通の事ですらなく。
   時系列の中でだけ意味を持つ
   感情、それは大切な、

ひかり、におい、
ふるえ、なみだ、それから
奪い去られるものが、こんなにも
こんなにもあるなんて
どこに還ればいい、還ればいいのか

   涙でも汗でもなく、流れ落ちるということ
   無邪気に、たたきつけるということ






自由詩 僕に雨が降るということ Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-12-02 23:20:23
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