ラスト
大覚アキラ

壊して
確かめる
この気持ちの意味
そして
終わったものに
ひとつずつ順番に
名前をつけて
それで
安心する
陳腐な構造で
思い込みの螺旋を
縺れながら滑り落ちる
交感
ある者は
流れゆくものを見て
唾を飲み
またある者は
飛び去りゆくものを見て
手に汗を握る
さあ
訣別して
ひとり
目を閉じて
匂いと
音と
ぼんやりとした明暗だけを
頼りに
進みゆく迷路
奥へ
奥へと
そうだ
ほら
弾けて
懐かしく
そして少しだけ寂しい
なぜか
震えがとまらない
だから
帰らない
どこにも
帰らない
二度と
帰らない
足元に転がっている
意味を
拾い上げて
強く抱きしめろ
壊れるぐらい
強く


自由詩 ラスト Copyright 大覚アキラ 2007-12-02 01:43:47
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