小さな蟻が地球を回す
beebee




ほら肩に蟻がいる

友達の言葉に慌てて払った。
秋の陽射しの中、
落ち葉と一緒に落ちて来たのか、
払われた蟻は水溜まりに落ちてもがいていた。
ああ可哀想と誰かが言う。
すると君は水から拾い上げて転がっていたボールの上に乗せた。

もっと可哀想だろ

ぼくは爪先でボールを蹴った。
ボールは蟻を軸にするようにくるくるまわりながら転がって行く。
その時ぼくは一つの定理を悟る。

《地球はぼくたちの足で回っている林檎なんだ》と
蟻がボールを回しているように。

玉乗りさせてどうするのよ
君が笑ってお終い。


自由詩 小さな蟻が地球を回す Copyright beebee 2007-11-27 01:12:40
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