春夏秋冬春
優羽

この暖かさが辺りに広がり
優しい花をたくさん咲かせればいい
そうしたならば希望に満ちた
初めての世界が待っているだろう

この暑さがすべてを焦がし
雑念を燃やし尽くしてくれればいい
そうしたならば我武者羅に進む
自分の世界が待っているだろう

この風が木の葉を揺らし
あらゆる音を掻き消してくれればいい
そうしたならば涙の零れる音もしない
静かな世界が待っているだろう

この寒さが全身の熱を奪い
しまいには心の芯まで冷え切ればいい
そうしたならば喜びも悲しみもない
青白い世界が待っているだろう

この温もりが心に染み渡り
凍った涙を溶かしてくれればいい
そうしたならばまた立ち上がれる
新しい世界が待っているだろう


自由詩 春夏秋冬春 Copyright 優羽 2007-11-21 20:57:46
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