終わりの音楽
猫のひたい撫でるたま子

音楽から聴き取れることは、まっ平らな広場

遠くに海が見えて、何も遮るものはない

そこの広場に行き着くためには2メートルの堤防から飛び降りなくてはならない

落ちて、真っ黒な土を掴む

落ちて、目の前に現れた生まれたての生き物が柔らかい

飛び降りてここにやってきたというのに、遠からぬところから背の高い女が階段を下りてやってくる

足取りは軽く、棒付き飴を舐めている

侮ってはいけない

世界はまっ平らだから

私とあなたは同じように始まりもしない終わりの音楽が聴こえているはず





自由詩 終わりの音楽 Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2007-11-19 23:02:22
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