ぽっぺんぽこぺん
九鬼ゑ女

頬ふくらませ
きみが愛を吹く

おっとっとっと
慌ててぼくは
きみがトバシタ愛を追う
なのに
きみはしらんふり
弾けたしゃぶぉんのように
ぼくから逃げる

たちまちシオレタぼくは
歪んだびぃどろ細工
へなへなとへたりこむ
と、
ぽっぺんぽこぺん
ぽっぺんぽこぺん

頬ふくらませ
きみは指先で
ひょいとぼくを抓む
それからくぷり
ぼくをマルゴト口に入れ
ざらつく舌で舐めまわす

きみの唾があんまり甘いから
ぼくはコラエキレズに
つい滴り落ち

ぽっぺんぽこぺん
ぽっぺんぽこぺん

気がつけば
ぼくはきみの中
きみの夢にのみこまれ
きみの空をトンデいる

ぽっぺんぽこぺん
ぽっぺんぽこぺん
ぼくが翔ぶ      /とぶ

萎れたまんまの
ぼくが翔ぶ



自由詩 ぽっぺんぽこぺん Copyright 九鬼ゑ女 2007-11-19 19:54:41
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