カルボナーラ
しろう

地面は噴火したがっている
東急の下もマルイの下もドンキホーテの下も。
オカンはアフロにしたがっている
翼のある鳥を飼いたいそうだ。
ダンデライオン、
おまえの息の根の“根っこ”はどこにある?

住宅街の外れの川沿いのバルブ工場は、
螺旋のミゾを切ったドリルのような煙突で
イカスミ色の黒煙を曇天に突き上げて“神様”を燻り出そうとしているが
所詮は豚の薫製がライン生産されるだけだ。
ベーコンともいうがそれはそれで合理的だ。

オカンのアフロから一羽のカラスが孵った。
コイツが飛べるのかどうかはまだ分からないが、
「キョーダイ、仲良くやろうぜ」とオレは声を掛けた。
根無し草の“根っこ”など、どこにもない。






自由詩 カルボナーラ Copyright しろう 2007-11-19 19:08:14
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