「雨呼び」
菊尾
劈
(
つんざ
)
いてほしいんだ
掻き
毟
(
むし
)
ってよ千切り取ってよ
口元をあんなに汚して
僕はそれを醜いことだとは思わないよ
肖
(
あやか
)
りたいね
その無限の感情
透ける空虚感
純粋な狂気に
紙一重な君の感覚は
真新しいカーテンを広げた時みたい
毛色の違う、その何もかもで
静かに侵して喰らってくれよ
気分は上向き
バニラの甘くて濃い香り
笑う雨
ステップとターンで
君は同様に僕に降り続ける
こんな日に君のことを好きになる
好きになるのは、きっとこんな日
自由詩
「雨呼び」
Copyright
菊尾
2007-11-18 04:45:46