月影
揚羽 欄符

唇の奥に見えた虹
忘れゆく定めとしましても
瞼の裏に潜む今
流れる水はつゆ知らず
あきらめきれない私の足は
幾つの海を渡れましょう
昔話を語るにも
馴染んだ舞を踊るにも
まとえる衣がないのです

砂利を隠して下さいな
綺麗な足を下さいな

ひらり舞うは夜の貝
岸で笑うは空の星屑
虹を忘れた病み夜の月は
忘れゆく定めとしましても
一切感知しないのです


自由詩 月影 Copyright 揚羽 欄符 2007-11-17 01:25:32
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