ノート(打音)
木立 悟




木琴が鳴る
放つことなく
受けとめるまま
木琴は鳴る 木琴は鳴る


明けてゆく夜
蒼つなぐ蒼
明ける色の手
見えない手


隅に集まる
光の渦
紙に染み込み
くすくす回る


音のない声
音のない唱
闇に闇を
もとめるくちびる


双つの雨が まだらに重なり
遠くも近くも
背だけが濡れる
緑のなかの 緑の拍手


放つことは 受けとめること
わかりながらわからないまま
ひとり残る器の底に
木琴は鳴る 木琴は鳴る












自由詩 ノート(打音) Copyright 木立 悟 2007-11-16 19:48:56
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