ねえ
壺内モモ子

私は私が嫌いだった
手相とか
自分の星座や血液型とか
ひとつを気にしだすと
全てがいやになってしまう
魔法使いのおばあさんは
自分を好きになる魔法を知っているかしら
そんなことを考えている私も少しかわいいね
ねえ
銀色のペンで書き足した手相も
たくさんの占い雑誌も
友達に呆れられても
しかたないかもね
ねえ

自分探しの為に
一人旅に出かけたいとか
いつも思っていた
いつも同じ場所にいるからこそわかる
小さな変化や
誰かの喜びや悲しみ
そして守ってあげなきゃいけない何かに
気づかせてくれたのは
いつのまにかおなかが大きくなった近所の野良猫
魔法使いのおばあさんが
いろいろな魔法を知っているのは
目の前の現実から逃げず
たくさん努力してきたからだろうね
ねえ
生活が変わらなくても
私は前を向いて進んでいきたい
そんな自分を好きになれる
ねえ


未詩・独白 ねえ Copyright 壺内モモ子 2007-11-13 22:28:47
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