遠景
月見里司
二本目に火をつけても咽せなくなった。
屋上は広い部屋に過ぎず、
大きく見える飛行機も壁紙のようなものだ。
カッターシャツが二枚、
影を落としている。
(羽虫がまったく入ってこない。
四角い部屋が、
カゴに見えるからだ)
六本目に火を点けようやく咽せる。
灰皿が見当たらなくても、
投げ捨てるわけにはいかなかった。
高い山も地球のまるみに負ける、
//2007年11月12日
自由詩
遠景
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月見里司
2007-11-12 22:55:02
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