ケイオスのうた
しろう



僕らは秩序の形而上に生を受け
混沌の形而下にその雫を埋めていく


ねぇ
いったい
何度生まれ変わったら
猫にしてくれるの
日だまりの神様
おしえて


財布とケータイを落とした
旅路のような不幸が蔓延し
この世は混乱している


無人島にひとりっきりで
たった一枚のCDを持って
ステレオはなく
電気さえ流れてなくとも
僕は孤独ではないのに


ごめんね
僕はマスケラをつけていたわけじゃないが
たったひとりの顔がある
パイプ剥き出しの廃墟で
タバコに火をつける時の顔だ


テロメアは
生物至高の発明だ
狂う前にじっくり壊してくれる
ただし人間には
少し長すぎる


今日も
少しだけ疲れすぎた
息を吸うのも億劫だ


伝えたい想いを
10の言葉で綴ったら
すでにそれは嘘に変わってしまう
多くとも5までで伝わらないなら
僕は唖になる


ねぇ
いったい
何度この世に生を受けたら
猫にしてくれるの
月あかりの神様
おしえて



おねがいだよ
うたをきかせて
きみのケイオスのうたをうたって
きかせて



自由詩 ケイオスのうた Copyright しろう 2007-11-12 20:35:41
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